先日、都内某所にて田中ウルヴェ京先生のお話を聴いてきました。
田中ウルヴェ京先生は10歳で水泳からシンクロナイズドスイミング(現在、アーティスティックスイミング)へ転向され、12歳の時に東京シンクロクラブへ入り、本格的に競技に取り組まれました。
15歳で日本代表チーム入り、19歳の時には、日本選手権のソロ(1人での競技)の部門で優勝されます。
1988年に開催されたソウルオリンピックのシンクロ・デュエットでは小谷実可子さんと銅メダルを獲得されました。
その後はシンクロの代表チームのコーチを経て、現在ではメンタルトレーナーとして、車いすバスケ男子日本代表や、なでしこジャパン女子サッカー日本代表のメンタルコーチも務められている先生です。
今回はスポーツメンタルトレーニング上級指導士の資格もお持ちの先生より『ストレスをやる気に変える~ストレスコーピングとは~』をテーマにお話いただきました。
講演テーマにもある『ストレスコーピング』について。
コーピングとは、ストレスに対してどう対処するか(=対処努力)というもの。
雨が嫌い、雨に濡れることがストレスなら、濡れないために傘をさす、ということもコーピング。
一方で、ストレスをうまく利用して、自分のやる気を上げるコーピングもある。
今回は、自分がどんな時にどんなストレスを感じる人間なのか、自分に興味を持てるよう、その基礎となることをお話していただきました。
まずはメンタルについて。
メンタルは、現在、心が疲れ、弱っている人のことを総称して「あの人メンタルだよね」といった形で使われることもあるが、直訳すると“心の”という意味。
では心は身体のどこにあると思いますか?
➀私たちの意識(どう感じて、どんなことを考えるか)はどこにあるか、という表現でメンタルを考えた時には、心は脳にある。
②人生がかかっている状態では、人は頭を抱えるのではなく、胸あたりをおさえて落ち着こうとする。
→緊張した時に、ハートの部分がどきどきしているということを自分に感知させる。自分たちのメンタルを感じさせてくれる一番の場所であるため。
③それでも心は1か所ではなく、人それぞれ感じる場所が違う。
身体のいろいろな場所でメンタルの存在を感じることはストレスコーピングの大きな1つ。
参加されている方の中には背中という方もおられましたが、私も手や手首で感じることがあります!
次に感情について。
ラッセルの次元理論を基に、感情を4つの枠に分けて考える。
1、交感神経優位でプラスの感情=心臓がどきどきしていて快適な状態
2、副交感神経優位でプラスの感情=心臓はどきどきせず快適な状態
3、交感神経優位でマイナスの感情=心臓がどきどきしていて不快な状態
4、副交感神経優位でマイナスの感情=心臓がどきどきせず不快な状態
3はイライラしたり、焦ったり。4は落ち込んだり、悲しんだりといったマイナスの感情。
これらは良くない状態と思われるが、ストレスコーピングの第1歩としては、そんな感情に気づくことが必要。どんな感情にも大切な役割がある。
不快な状態と言われる感情があることで、人生のすごく大事なことに気づくことができる。それにより、『人間らしい』といった本質にたどり着けるのではないか。
そのような感情を意識することで、快適な状態の感情も出しやすくなる。
良し悪しではなく、先生はどんな感情も正しいとおっしゃられ、それを聴けて、なんだか安心しました!
また、感情を意識するための方法として、“感情のおなら”の練習がある。
自分がどんな時にイラつく?焦る?落ち込む?のかを言葉に出すこと。練習していくうちに、この感情には照れが入る、なんだか言いにくい、などの自分らしさに気づくことができる。
これを続けていくことで、いたるところの緊張が緩み、身体の調子が良くなると。
さらに自己客観視の習慣がつくことで、明日(次)どうするか、といった建設的な思考ができるようになり、良い行動に繋がっていくそうなので、まずは1人の時に独り言として練習したいと思います!
最後には落ち着くための深呼吸の方法も教えていただき、パワフルで、笑いあふれる講演はあっという間でした。
他にも田中ウルヴェ京先生の経験された感動的なエピソードもお話していただきました。
もし“感情のおなら”の練習に興味のある方は、講演で丁寧に教えていただけますので、1度お聴きいただければと思います!
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(文・スタッフT)
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