過度な急成長の末、倒産に至った吉野家。その後、経営再建を主導した安部は、「倒産という希望の全く無い環境での活動が、自身のリーダーシップを養った」と言う。そしてそのリーダーシップは、BSEショックへの対応時にも遺憾無く発揮された。倒産により社員が次々と辞めていく一方、営業活動を維持するためにいかに部下のモチベーションを引き出したのか。BSEショックにより主力商品である牛丼の販売を停止し、現場が混乱する中で、いかに組織をまとめあげたのか。危機において何を考え、何を実行したのかを振り返りながら、リーダーの在り方について伝える。

あまり知られていないが、吉野家は“人”を育てることに、多くの経営資源を割り当てている。安部自身も“オヤジ”と慕う創業者・松田瑞穂の薫陶を受け、様々な経験と教育機会を与えてきた。伸びしろが期待できる論理性を兼ね備えた人材の採用や、ハイレベルな勉強会をはじめとした入社後の積極的な成長機会の提供等、吉野家の人材育成の仕組みを伝える。

アルバイトからトップに登り詰めた安部。目の前の仕事に全力で取り組み、創業者・松田瑞穂の目に留まる。その後、数々の伝説を築きあげ、気が付けば、トップとして吉野家を引っ張っていた。「チャレンジ精神こそが人を大きくし、会社を大きくする」と言う安部。自身の置かれた環境において若い頃に挑戦し恥をかくことの大切さと、仕事や人生を面白くするコツを伝える。