父親の影響で物心がついたときから野球をやってきました。型にこだわらずのびのびと、そしてコツコツとやり通してきたことがとても大切だったと思っています。プロ野球選手として生きることは非常にシビアな世界で生き残っていくことです。プレッシャーを取り除く努力、繰り返す失敗、名優との出会い、10.19 という今も語り継がれる名勝負に携われたことなど、野球は私にたくさんのものを与えてくれました。
子供たちに私の培ってきたものを伝えたいと、引退後はメディアに出る一方で、野球教室をしています。教え子が数人NPB の選手として活躍しています。そして、独立リーグの監督をしながら指導者としても、NPB、MLB に通用する選手を育てること、夢をあきらめずに野球が出来る環境を作っていくことも私の役割だと考えています。これからも野球への恩返しとして、こういった活動を続けていきたいと思っています。

プロ野球選手となり一軍に定着し始めた頃、少々有頂天になりかけていました。そんな時、ある名優と出会いが私の意識を変えるきっかけとなりました。物事が一方向からしか見えていなかったことへの“気づき”が生まれ、それから野球がさまざまな角度から見えるようになりました。
現役を終えてからは、私が学んできた多くの気づきを子供たちに野球を教えながら伝えています。また、独立リーグでの監督経験によって、指導者としての気付きもさらに深くなりました。独立リーグに集まってきた選手たちはどこかで野球を続けられなかった、そして何かが足りない選手の集まりです。野球は失敗のスポーツです。ですから選手たちにも失敗を恐れず、のびのびと個性豊かに育ってもらいたい。「継続」することは非常に難しいことですが、ポジティブに物事を捉えていくと野球場には野球が上達するヒントがたくさん落ちています。それを選手たちに気づかせる、そして夢をあきらめないで継続する環境を作っていくことが野球に育ててもらった私の使命だと思います。

結果を残さなければ残っていけないプロ野球の世界は日々プレッシャーとの戦いで、どのようにしてプレッシャーを克服していくかが大きな課題でした。引退後、導者となってからは、選手のプレッシャーをどう取り除くか、選手たちを導き、彼らの可能性を引き出していくことも私の役割だと思っています。
現代を生き抜くには常に何かにプレッシャーを感じながら、ストレスと戦っていかなくてはなりません。私の選手時代のプレッシャーとの付き合い方、そして監督としてのコーチングが皆さんにとって何かしらヒントになれば嬉しいです。