先日、長年のお得意様ご主催の、月尾嘉男(つきおよしお)先生のご講演を聴講してきました!
テーマは「ビッグデータ時代のカラクリ」。
「カラクリ」と聞くと怖い話!?と思ってしまうかもしれませんが、良い点・悪い点の両方に触れ、またビッグデータだけに限らず、IoTや人工知能など、最近話題の技術についてもたっぷりお話いただきました。
一部ではございますが、ご紹介します!
冒頭では、監視カメラやグーグル検索などを例に挙げながら、私たちの生きている社会はまさに監視社会である、とご説明。
また近年のロボット、コンピュータ技術などがどのように発展しているか、そこに至るまでの経緯・ポイントについても解説してくださいました。
講演タイトルにもある「ビッグデータ」の身近な活用例として、アメリカのメジャーリーグで使われている「SABR(ソサエティ・フォー・アメリカン・ベースボール・リサーチ)メトリクス」をご紹介。
これは1970年代からのメジャーリーグの試合のデータをコンピュータで分析し、戦略を検討したもの。
たとえば「ヒット」と「フォアボール」で価値が高いのはどちらか?
答えは後者。どちらも一塁に出る結果は同じであるが、ヒットだと相手投手は最低1球しか投げないが、フォアボールだと最低でも4球投げるから、より早く投球制限回数に到達させることができる。
こうした分析を駆使した弱小球団の成績を向上させた。
他の分野の活用例も!
自動車メーカー・ホンダの「インターナビ」は、収集した急ブレーキ多発地点のデータを参考に交差点の改造をし、一気に急ブレーキを減らすことに成功している。
アメリカでは過去の犯罪発生データを活かして犯罪の発生を事前に予測するシステムを導入し、犯罪発生件数を減らしている。
しかし良いことばかりではない。「情報を蓄積する」ことの問題もある。
アマゾン、グーグル、アップル、フェイスブックなどの情報企業は利用者の様々な情報を膨大に蓄積し、それをビジネスに生かして急成長している。
時価評価総額ランキングの上位を占めているのもこの4社になっている。
こうした世の中の流れから個人の情報を守るために、EUではGDPR(EU一般データ保護規則)が施行された。
AIやロボットの目覚ましい発展についても、写真などで実例を示しながら解説。
かつては「ロボット」といえば工場内での活躍が主だったが、これからはサービス業の分野が中心になる。
特に人手不足の介護分野では、日本はロボット利用の先進国を目指している。
キリスト教徒は神様が創った人間を、人間が作ったロボットが介護することには違和感がある。一方日本人を対象にした調査によると、全体の81%の人が「ロボットによる介護もOK」と答えている。
最近は介護現場での物騒な事件も多いので、かえってロボットのほうが安心かもしれないという説明に、会場も大笑い。
最後に、情報科学分野において、世界と比べて日本が遅れている状況について説明。
学術論文引用率、コンピュータ普及率、大学の評価、情報競争力などの様々な順位を見ると、アメリカ・中国が先行しており、日本は後進国である。
世界の時価評価総額順位の上位は情報産業分野のベンチャー企業が占めているのに対し、日本の1位(世界の31位)はトヨタ自動車というモノづくり企業である。これが現在の日本の状況である。
教育は一朝一夕でできるものではない。今日お集まりの方々にも考え、実践していっていただきたいと講演を締められました。
月尾先生のラジオをお聴きの方はおわかりかと思いますが、聞きやすいお声でした!
控室でも気さくにお話してくださり、うれしかったです。
(私の本名の由来をズバリ当てたのは月尾先生が初めてでした)
身近な例を挙げながらのわかりやすいご講演ですので、「スマホの使い方もちょっと疎いなあ…」という方にとっても、すんなり頭に入るお話だったと思います!
本テーマだけでなく、先生が取り組んでいらっしゃる地球環境・食料問題についてのテーマもご相談可能です。
次はそちらのお話も、是非伺いたいと思います!
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