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JR東日本「安全の語り部」 矢部輝夫先生のご講演を聞いてきました。

JR東日本「安全の語り部」 矢部輝夫先生のご講演を聞いてきました。2020/01/28

先日、矢部輝夫(やべてるお)先生のご講演を聞いてまいりました。

今回の講演テーマは『みんなで創る「安全」と「おもてなし」』。

鉄道業に40年以上携わってきた矢部先生。
首都圏のJRだけでも1日に使用する人数は約1400万人。今この瞬間に動いている列車は600本。
それを支えているJR社員は、1万2千人。すごいですね。

鉄道の安全性、信頼性は飛躍的に向上している。その1番いい例が新幹線。
開業してから数十年、お客様を乗せた新幹線が脱線したのはたった1度だけだそうです。
そんなシステムを作ったのも、管理しているのも、運用しているのも人。
では、その安全性や人はどう生まれたのかお話しますと講演スタート。

ヒューマンエラーによる事故は、約8000万回に1回の割合で起こる。
逆に言えば、7999万9999回は、無事に業務完遂できているという事。
これは“人のしなやかさ”によって生み出されている。

では、人のしなやかさとは一体何か。
実例として、昭和44年12月の北陸トンネル特急「日本海」列車火災事故を挙げられました。
当時の国鉄の規則では「トンネル内で火災が起きた場合は速やかに列車を停止させなければならない」と定めていた。
しかし、機関士は「トンネル内での停車は危険」と判断し、トンネルを脱出。
脱出後に緊急停車して、消火作業を行った結果、死傷者はゼロだった。
ところが国鉄は、この機関士の行為をマニュアル通りに従わなかったとして、運転規則違反により処分してしまった。

この火災から3年後、北陸トンネル急行「きたぐに」列車火災事故が発生。
その機関士はマニュアル通りの行動を行い、トンネル内で緊急停止をした。
結果、死亡者30名 負傷者714名と大きな事故につながってしまった。

人は常に変化する環境の中で仕事をしている。
マニュアル通りに仕事を進める事は大切だが、想定内の事故しか対応ができなくなってしまう。
今後は事故が起こってから対応を考える「守る安全」から「チャレンジする安全」へ切り替えていかなければならない、と提言されました。

他にも、矢部先生は鉄道整備株式会社(現JR東日本テクノハートTESSEI)にて
安全につながるための様々な改革を行いました。その一つで有名なのが「おもてなし」です。

テッセイは新幹線車両清掃の専門会社で、いわゆる「3K(きつい・汚い・危険)職場」と呼ばれていた。
かつてはスタッフの士気が上がらない、離職率の高い会社だったそうです。
いまや「奇跡の職場」といわれ、経済産業省の2012年度「おもてなし経営企業選」にも選ばれるほど。
米CNNは新幹線を7分で清掃する技を「7ミニッツ・ミラクル」と報じ、注目されています。

まず社員のモチベーションアップが必要と考えた先生は、仲間同士の挨拶を徹底。
さらにスタッフの地道な“良い行い”をリポートさせる「エンジェル・リポート」を導入。
スタッフ同士が認め合い、ほめ合う文化を作り上げた。
現場から上がる提案や気づきに丁寧に向き合い、ボトムアップによる課題解決にも尽力。

スタッフの制服も一新。
ジャージから爽やかな身だしなみにした事で乗客からも注目され、声をかけられるようになった。
達成感と誇りがスタッフのやる気に火をつけ、こうしてテッセイは新3K(「感謝・感激・感動)を実現しました
最後にエンジェル・リポートを流して講演終了。こちらも必見です。

今回は安全大会でしたが、人材育成に関するご講演をはじめ。
「働き方改革」「スタッフ定着率」「職場内コミュニケーション」など様々なテーマでご対応いただけます
優しいお人柄で、控室でも楽しく談笑させて頂きました。

お問い合わせ、お待ちしております!

(文・スタッフS)

 

矢部輝夫先生のプロフィールと講演依頼はこちら

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