2023年9月、里崎智也先生の「下剋上捕手里崎流思考術 ~野球で学んだ勝ち抜く戦略~」というテーマの講演を聴いてきました。
<里崎先生ご自身の節目での「選択」について>
鳴門工業高校の時の恩師、高橋先生とのこと、進学する大学(帝京大)を決める際の「選択」方法、そしてその「選択」をした後の結果がどうなったかを、わかり易く、なるほどと思わせる内容。
さらにはなぜロッテをプロ入り先として「選択」したのか。
プロは仕事であり、夢ではない。
従って当然試合に出られなければならない。
これは「選択」した大学で培った成功体験からの「選択」。
しかし「武器はバッティングですと」入団した4年目の打率は.043(4分3厘)という惨憺たる数字しか残せなかった。
“市外局番”と揶揄された。
そしてシーズンオフに自己分析(自身のデータ研究)と相手分析(対戦相手の投手・捕手・癖など)をし、翌年のシーズンではレギュラーに定着し、.319(3割1分9厘)の成績を残すことができた。
人は言い訳がし易い「困ったら得意なことしか選択しない」のだということに気付けた。
それがわかれば成功し易くなる。
<ロッテの時のボビー・バレンタイン監督から学んだこと>
まず目標設定が巧い。
チーム目標を「日本で一番ツーベースを打てるチームになれ(してください)」と設定。
目標にそぐわないホームランでもスリーベースでもなく、効率の悪いヒット(4本で1点)でもなくツーベース(2本で1点)にしたところが絶妙。
そして成果(ツーベースを打つ)に対する評価をきちんとし、報酬を上げて報いてくれた
<2005年のボビー・バレンタイン監督のコミュニケーション方法>
ボビーにとって最大の目標はチームを勝たせること。
結果が出なくても怒らない。
「里サン、らしくないデスネ、モットできますよ、レッツエンジョイベースボール!」と声を掛け、できるはずと寄り添ってくれた。
怒る時は、チームの方針通りにやらなかった時。
例えばインコースを狙うという方針なのにアウトコースを狙った時。
つまりチーム方針通りにやって結果がダメでもそれに気付けたことが良かったじゃないか、次に活かそう、次のプランを考えようと。
引退後は解説者となったが、解説者には引退がない。
元捕手は古田敦也氏や谷繁元信氏といった方々が主音声で、里崎先生ご自身は「ミスター副音声」と自虐(ギャグ)的に仰ったが、解説を聞くとなかなかの逸材であることは間違いない。
里崎先生は大変クレバーな方だと確信しました。
講演はきちんと構成され、内容もわかり易く示唆に富んでおり、笑いもあり、マネージメントに関するものも含まれ、経営者層にも十分楽しんで頂ける完成度の高いものに仕上がっていると思いました。
講演終了後に少しお話しした中で、「単に自身の半生をなぞるだけの講演には絶対にしたくない」ということを仰るほどの固い決意を持って、講演講師というジャンルを「選択」されたのだなと感じました。
そしてその「選択」は正しかったときっと思っておられることでしょう。
今後は引退後の内容だけでの講演も準備中とのことでした。
非常に楽しみな講師のお一人です。
是非お問い合わせ頂ければ幸甚です。
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