「ウクライナ戦争」と言われているが、非常に分かりにくいし、損得勘定が全く合わないことをなぜプーチンはしたのか。
一般的に戦争とはヒトラーの戦争、侵略に近いものというイメージだろう。
ではほとんど取り沙汰されていないプーチンから見た場合にどのように見えているのだろうか。
前提としてプーチンにとってウクライナは外国ではないということ。
つまり彼にとっては国内治安問題であるということ。
従って終わらないのではないか、長引くのではないかと考えている。
「中国・台湾問題」は、習近平氏がもし台湾が豊かになれば西側諸国と同じようになるだろうと考えていることが大前提としてある。
経済発展した中国が海洋進出し海洋強国を目指すのは必然。
そうなると台湾が当然問題になる。
中国にとって海洋戦略上重要なのは①香港、②台湾、③尖閣で、香港は既に手中に収めているので台湾が米中天王山となり米中対立となる。
2024年1月の台湾総統選挙が大きなポイントとなるので、既に中国は選挙工作を行っているだろう。
この結果で政治的統一か軍事力による統一という方法を取るのかは、どんなに遅くとも習氏の任期切れの2027年までにはわかるだろう。
もし軍事力を選択した場合は短期で一気に取るだろう。
台湾軍の中にも中国のエージェント(スパイ)を既に送り込んでいることは間違いない。
もしこの時にアメリカが出て来ないと見れば尖閣も取るかもしれない。
ここから史上最長の統合幕僚長在任期間記録を持つ河野先生ならではのリーダーシップ、危機管理の話。
<リーダーの在り方>
◆100%の確証が無くても、危機の際は決断が必要
河野先生ご自身の経験されたこと。
PAC-3の宮古島輸送時に配備までの時間的余裕が無く、タグボート無しで行うという、通常あり得ない着岸命令を出した。
一見無謀に見えることを、当然100%の確証は無かったが、海上幕僚長から統合幕僚長になったので、ご自身がそうしてこられたように海上自衛隊の艦長人事は、操舵の上手い艦長を配置している“はず”という根拠があった。
つまりリスクを負う「覚悟」があるかどうか。
アメリカが「唯一のパーフェクトオペレーション」と称賛した、木村昌福中将の魚雷回避エピソードも披露。
<組織の危機管理>
◆萩崎三佐事件
エドワード・スノーデンのような情報漏洩事件。
自分でデータを持っていることで安心するという理由だけで、日米の根幹を揺るがすデータを持っていた。
そして警察が押収した物を防衛省が警察から取り返したのだが、この時の日米の危機(情報漏洩)に対する決定的な考え方、認識の違いがあった。
日本は「まぁ大丈夫だろう」、アメリカは「100%ロシアに渡った」と真逆だった。
実際はロシアに全ての情報が渡っていた。
これがどういうことで何を意味するかは、賢明な方ならお分かり頂けると思います。
上記のようなシビアな内容が続く中で、河野先生は「昔、軍では大尉、中尉、少尉と呼んでいましたが、現在は1尉(位)、2尉(位)、3尉(位)と呼ばれ運動会みたいですよね」と言って聴衆の笑いを誘い和ませるところも絶妙でした。
これらの失敗例を踏まえ、その原因、本質について述べられました。
<失敗の本質>
①目的が不明確
②戦力の逐次(小出し)投入
③根拠無き楽観主義
最後に「リーダー」とは目標、方向を定め、確固たる意志を持って遂行し、結果責任を取る人でなければならない、と結ばれた。
時間が足りないくらい盛沢山の内容でしたが、硬軟取り混ぜた非常にバランスの良い講演でした。
河野先生は柔和で明るくユーモアがあり常識人で、さすがに自衛隊制服組のトップに史上最も長く就いておられた方だなぁと器の大きさを感じました。
講演終了後の懇親会にも二つ返事でご出席くださり、主催者の方々とにこやかに談笑されておられました。
お酒もお好きだそうで時間が許せば懇親会にもご出席頂けるようです。
是非経営者の方々にお聴き頂きたい、タイムリーで濃い内容の講演です。
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